第一話 刺客

660年、百済軍を率いるケベクは新羅の大軍と黄山伐で4度目の戦いを繰り広げ、見事勝利する。激戦の余韻のなか、ケベクは兵士たちに“死ぬな、必ず生きて家族の元へ帰れ”と語りかける。…時は遡り612年。百済の泗泚(サビ)城では新羅出身のソンファ王妃と息子のウィジャが刺客に襲われる。護衛将軍のムジンが倒した刺客の腕には暗殺集団、為済団(ウィジェダン)の刺青があった。武王は妃を守れない自分を責めるが、そこに現れた第二妃、サテク妃は不敵な笑いを浮かべていた。

第二話 密偵

ソンファ王妃とウィジャの命を狙うサテク妃は、遠い昔思いを抱いたムジンを仲間に引き入れようとするが彼は取り合わない。自尊心を傷つけられたサテク妃は野望実現のため、ソンファ王妃とムジンを新羅の密偵に仕立てあげる。武王はムジンとともにソンファ王妃を逃がすが、サテク妃に追いつめられた王妃は身の潔白を証明するため自害する。それでもサテク妃の執念は止まらず、さらに執拗にウィジャとムジンの行方を追いかける。

第三話 ケベク誕生

ムジンはなんとか生き延びるが、身重の妻は子どもと引き換えに帰らぬ人に…。隠れていたウィジャも追っ手を逃れ、一人でサビ城に戻る。14年後、ムジンは刺客を生業としながら、息子ケベクとともに民家の女とその息子の4人で暮らしていた。ケベクは商店の娘、ウンゴが気になるが、こっぴどくフラれてしまう。一方ウィジャはサテク妃にへつらいながら無能なふりをして暮らしていた。サテク妃はそんなウィジャを怪しんでいたが…。

第四話 思い出の地

酒場で泥酔したウィジャに代わってサテク妃の誕生祝宴にやってきたケベクは、贈り物を持ってきたウンゴと出会う。祝宴は武王とソンファ妃の思い出の場所、宮南苑で開かれた。サテク妃はその場所で捕縛した新羅兵の処刑を命じる。ところがその一人がいきなりサテク妃に剣を向け、ウンゴがそれを遮るのを見てケベクも思わず飛び出してしまう。刺客の一味として捕まったケベク。厳しい尋問が続くなか、ウンゴの証言でようやく釈放される。

第五話 再会

人知れず為済(ウィジェ )団を追っていたムジンに、為済団から接触が。サテク妃の指示を受けた為済団が、ムジンにウィジャの暗殺を依頼したのだった。一方ケベクは、ムジンがウィジャに刀を突きつけるのを見て思わず間に割って入る。見たこともない父の姿に驚くケベク。ムジンは成長したウィジャとの再会を喜ぶが、その足で為済団に乗り込みサテク妃を人質に取る。陰謀を明らかにしようとするムジン。だがサテク妃側の貴族たちが黙っておらず…。

第六話 殺生簿

サテク妃を連れて宮南苑にやって来たムジン。そこに為済団に捕まったケベクと家族が連れてこられる。家族を殺すという脅しにもサテク妃を放さないムジン。容赦のない為済団はムジンの目の前で妻ウルリョを刺し殺す。そこに現れた武王はムジンからサテク妃の陰謀の証拠、殺生簿を渡される。この機会にサテクらを一網打尽にしようとする武王。だがサテク妃はすでに手を打っていた。ケベクは母と兄が他人と知って衝撃を受けていたが…。

第七話 香瓶

先手を打たれた武王は仕方なく殺生簿を焼く。都を去ることになったケベクはウンゴを訪ねて思いを告げる。ウンゴは戸惑いながらも彼に香瓶を贈る。その矢先、ケベクとムジンはまた捕まってしまう。ムジンはウィジャとケベクを助けるため、反乱を起こしたと見せかけてウィジャに自分を殺させる。ケベクは国境近くの村に送られるが、そこで新羅軍の捕虜となってしまう。こうして成長したケベク。その胸には今もウンゴの香瓶があった。

第八話 薯童謡(ソドンヨ)

ウンゴとウィジャはサテク妃を倒すために手を組んでいた。ウンゴは有力貴族燕文進(ヨンムンジン)の娘とウィジャを結婚させようとしていた。娘はサテク妃の息子キョギとの縁談が決まっていたが、ウンゴは武王がソンファ妃への思いを遂げるために使った薯童謡の手法を借りて、既成事実を作り上げてしまう。一方新羅の捕虜兵士ケベクは次々と戦勝を上げ、将軍金庾信(キムユシン)の信頼を得ていた。その頃百済では新羅の椵岑(カジャム)を攻略する計画が持ち上がっていた…。

第九話 ウィジャとの再会

百済が攻め入るとの知らせが新羅陣営に入る。さらにキョギとウィジャが先鋒を務めると聞いたケベクは自分がウィジャを殺すと声を上げる。椵岑城の城主、閼川(アルチョン)の信頼を得る捕虜の成忠(ソンチュン)はそんなケベクに興味を持っていた。キョギは戦場で新羅軍の仕業に見せかけてウィジャを襲う。毒矢に射られたウィジャは重体に陥るが、戦場に来ていたウンゴの献身的な看病で一命を取り留める。一方ケベクは新羅陣営を脱走し、ウィジャを狙うが…。

第十話 椵岑城を落せ

ケベクがウィジャに襲い掛かった時、ウンゴが現れる。ウンゴから父の死の真相を聞かされたケベクは刀を下して新羅陣営に戻って行く。ウィジャはケベクや捕虜たちを救おうと椵岑城に潜入する。彼はそこで元百済の役人で今は捕虜のソンチュンに出会う。二人は椵岑城を落す計画を立てるが、あと一歩のところでウィジャの正体がばれてしまう。百済陣営ではサテク妃がこの機に乗じてウィジャを殺そうとしていた。そんな中、戦いが始まる。

第十一話 泗泚(サビ)への帰還

ケベクの活躍で椵岑(カジャム)城は百済に落ちる。サテク妃は死んだと思ったウィジャが手柄を立てたのが気に入らない。泗泚には戻らないというケベクにウンゴは秘めていた思いを告げ、帰るように促す。ソンチュンら捕虜とともに泗泚に戻ったケベクはそこでサテク妃に寄り添うウンゴの姿を見て衝撃を受ける。だがウンゴもまた両親の復讐のために危険を冒してサテク妃の手先となり、機会を狙っていると知ったケベクはムジンの形見の剣を取り…。

第十二話 暴動

ウィジャを利用してサテク妃の命を狙うケベク。だがそれを止めたのは他ならぬウンゴだった。ウンゴはサテク妃を殺すだけでは復讐は終わらないとケベクを諭す。その頃ヨン・ムンジンはウィジャを助けるための人材として、官職を辞したばかりのフンスを狙っていたが…。一方戻って来た捕虜たちは定着金を受け取りに集まっていたが、約束と違う扱いに暴動を起こしてしまう。扇動したのがケベクだと聞いたウィジャはその場に駆けつける。